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茜色のラグをブリーチして、藍や大青（タイセイ）などの天然染料でブルーの浅染めをかけたグレーッシュな色味が美しい一枚。
オリジナルの絨毯の模様のアウトラインをなぞるように、クルミや没食子（モッショクシ）のタンニンなどで抽出したブラック〜グレーの染料でくっきりと描かれた輪郭が、この淡い印象の絨毯全体の表情を引き締めています。

藍は、イラン南部などでいくつかの種類が栽培されており、とりわけタイワンコマツナギが有名です。
これは、日本でよく知られるタデアイ（蓼藍）とは異なる小低木で、キアイ（木藍）ともよばれるもの。
古くは、エジプト遺跡のミイラの巻布にも藍染めのものが出土している事から、紀元前2000年以前より染料として利用されていた事が知られています。
タイセイ（大青）はアブラナ目アブラナ科タイセイ属の二年草。
南ヨーロッパ、西南アジア原産で、新石器時代より染料として用いられていたと考えられています。
葉や茎にはインドアイと同じインディカンという色素が含まれており、これを染料として使用します。
色素の含有率が藍に劣るため、浅いブルーを表現する為の染料に使われたりするようです。
モッショクシ（没食子）はブナ科の樹木にできる虫こぶのこと。
虫こぶとは昆虫などが寄生することにより植物体組織が異常に肥大成長したもので、モッショクシは若枝にインクタマバチが産卵することによって作られます。少しグロテスクな気がするかもしれませんが、これも天然染料の魅惑の世界。
こういった天然染料の歴史や植物の不思議に思いを馳せると、この絨毯に表現された色味がより美しく思えます。

この絨毯は、5〜80年程経年の非常に年代物のアンティーク品に、ブリーチ、シャーリング（毛足カット）、天然染料による後染め加工を施して、伝統的な手織りペルシアンラグの良さを残しながら、新しい姿に再生させたものです。
素材はすべて100%ウール、ハンドノッテッドと呼ばれる古典技法により一目一目糸を結び仕立ててあります。
後染めに使用しているのは、クルミ、茜、サフランやインディゴなど。斬新で鮮やかな色味と印象とは対照的に、古来から伝わる伝統的な天然染料と手作業に拘って一枚一枚丁寧に仕上げられています。
毛足がカットされた表面は、サイザルマットのような肌触り。裸足で歩くとその少しハードな感触が気持ち良く、夏場もサラリと使える質感です。
しっかりとした程よい厚みと硬さは、容易にめくれ上がる事なく非常に頑丈で、アパレルやレストランなどの商空間にも最適です。
毛足が無いこのラグは、美容室などでも非常に使いやすいはずです。

この数年、フランスやアメリカ、インドなどのアジア諸国で開催されるインテリアの国際展示会で、少しずつみかける様になった後染めのペルシアンラグですが
●加工対象となるラグ自体の結びが密度高くしっかりとしている事。
●後染めに使用されているのが天然染料である事。
●洗浄がきちんと行われている事。
●何よりも、最終的に完成した全体の色味や柄などのバランスが華美でなくシンプルで美しい事。
これらの調和がとれたオーバーダイのペルシアンラグは非常に稀少です。
そして、その新しい美しさを持ったラグを、イラン現地の工場から直輸入販売する事で、リーズナブルな価格を実現しました。
ぜひ実物をご覧いただきたい素敵な絨毯です!

また、overdyedは製品のメンテナンス過程において特殊な製法で染色、ブリーチをしているため
ご使用の初期の段階では染料の独特な匂いがする事があります。
使用する過程において段々と薄れていきますのでご安心ください。