date.2010.07.06 category.ART
パーク・アヴェニュー・アーモリーで2010年6月13日まで公開中のクリスチャン・ボルタンスキーのインスタレーション。
この大型空間の中に、6000枚以上もの様々な衣服が敷き詰められ、中央には其れが集積した一種不気味な山がそびえ立つ。
クレーンのアームが、その山からいくつかを掴んでは落とし、掴んでは落とし。
作業を淡々と繰り返す。
インスタレーション空間には、心拍音の様な音が響き渡っている。
一貫してホロコーストを主題にした作品を作り続けて来たボルタンスキー。
人間の肉体を覆うべき衣服が、広大な空間の中で重なり横たわる。
無言のまま機械の手で摘まれ集積していくその布達は
人間の皮膚や亡骸、生命を失った物のはかなさを想わせる。