c:hordでは、オーダーメイド家具の製作やインテリアデザインなど様々なご相談を承っております。
数多くある他のインテリアデザイン事務所と比較した際に、我々の仕事における最大の特色と言えるのは
製作物の実体に触れ、素材や仕上げのディテールに踏み込んでアプローチする点だと思います。
木工/鉄工製作、ソファ貼りやガラス制作など、それぞれどのシーンにおいても
やはり各専門分野の信頼できる職人に作業を依頼する事が、クオリティ高い製品を完成させる為の絶対条件です。
しかし、完成に至る一歩手前の味付けであったり、逆にそれぞれの専門業種の人であるが故に思いつかない
独創的な手法を提案し、共に模索しながら作り上げていく、細かい仕事を心がけています。
実際に製作現場へ赴き、仕上げ作業を行う事も多々あります。
今回は、多数の家具や建具などの製作依頼をいただいた
「FORM GIVING」様の物件に投入したテーブルと椅子の塗装風景をご紹介します。
木製家具の雰囲気を大きく左右する重要な要素の一つが塗装。
お客様からご要望いただいのは、英国アンティーク家具のようなトラッドな品の良さを漂わせながら
使い込んで行く中で味わいを増して、本物のビンテージ家具に育っていくような仕上がり。
かつてアンティークの修復工房で働いていた私は、数年間に渡り英国式の手塗り塗装の手法を学んだ経験があります。
オイルステインとセラックニスを用いるハンドポリッシュ仕上げには、現代の吹き付け塗装では出せない独特な味わいがあります。
古いバイオリンのような飴色の艶感と柔らかな風合いは、この手塗り塗装でしか表現できないものだと思います。
新規製作する木製家具を、この古典的な塗装方法で仕上げるべく、製作を依頼した工房へ出向き
塗料や使用する道具の種類をはじめ、細かな塗装方法を直接伝えながら塗装作業を行いました。
c:hord 瓦吹