いつもお世話になっているFORM GIVING 様から、ソファベンチ製作のご依頼をいただきました。
以前カスタム加工を請け負ったアンティークカウンターの前に設置する為に、ソファとスツールの中間にあたるシートハイト
や、周辺の動線や景観を邪魔しないサイズと形状など、プランニングの随所に絶妙なバランス調整を要求されました。
まずは、デザインの方向性を探る為にイメージ資料をご用意して打ち合わせ。
図面や3Dパースを作成し、構造上の細かな数値や素材、その仕上げのニュアンスなど詳細事項を検証していきます。
鉄工/木工/椅子張り、それぞれのセクションに携わってもらう職人さんや、貼り生地に用いる革の問屋さん
あらゆる専門業者の方々と綿密に打ち合わせを重ね、ソファベンチという一体の制作物を完成させる為の整合性を詰めていきます。
全体のイメージを大きく左右する革の仕入れをする為に、問屋さんを訪れました。
今回使用したのは、非常に手触りが柔らかく滑らかな牛革で、通常は衣料やバッグなどに使われるもの。
国産の原皮を姫路でクローム鞣し/染め加工したオールドメスティックのレザーです。
完成写真がこちら。
背面から見た際のタイトなラインと抜け感、他の什器や建具とさりげなく親和性を持たせた素材と仕上げ
上品なインダストリアル感に留意しました。
基本構造となるフレームから、スプリングワッシャーなどの細かなパーツまで綺麗に真鍮メッキ仕上げ。
ほぼ誰も気づかないディテールですが、締め切ったボルトの向きが全て綺麗に揃うように配慮してあります。
レザーの接ぎ合わせとステッチがアクセント。
本体のフレームにサンドした軸材や、背もたれのエンドパーツなどにはオークの無垢材を組み込みました。
同スペースで製作させていただいた他全ての木工什器と同じく、オイルステインとセラックニスでアンティーク塗装してあります。