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ANTIQUE TABLE CUSTOM

今回、お客様から頂いたご要望は
ダイニングサイズ程度のアンティークテーブルをカスタムして
大型のリフェクトリーテーブルにしたい!というもの。
またまた難しいご注文です。

カスタム前の写真がこちら。
天板サイズ1000mm×1000mm程です。
これを2400mm×1000にサイズアップするのです。

元々の構造上、中央から2分割された天板と脚部をワイド方向に引き延ばして
中央にエクステンション用の天板をはめ込むと、大型サイズのリフェクトリーテーブルに変形する
という物ではあったのですが、その拡張した見た目がややお粗末。
中央にはめ込む天板はコグチの装飾面材も無く、素材もベニヤむき出しです。
全体的に塗装も大分劣化していて、艶もなく古ぼけた表情。
それはそれで朽ちた味わいなのですが、今回このテーブルがディスプレイされるショップ
のイメージとしては、もっと艶やかでゴージャスな風合いに調整する必要がありました。

使えるオリジナルの部材はなるべく生かしつつ、上手に新しいパーツを組み込んで仕上げていきます。






まず、元々のテーブル脚部や天板のコグチ面材は流用するという前提で
塗装後に全体の色目が合いそうな木材を選定して、天板を丸々一枚製作します。
コストも大幅に押さえる必要があったので、比較的安価なウォールナットの
白太材を選定し、細かいピッチで接ぎ合わせました。
塗装前の段階だと接ぎ合わせの違和感や不自然さが目立ちますが、後の塗装工程で調整します。

白太(しらた)とは、この写真で色が白く見えているところ。
木材の樹皮に近い白い部分で、比較的安価に入手出来ます。




欠損していた部分の天板コグチの面材を製作し接合、元のアンティーク天板の面材と
自然につながる様に整形していきます。
何とか違和感なくつながりました。
この部分も後の塗装で自然な色味に化粧していきます。



まず、オイルステインでウォールナットの木肌を染色塗装。
着色前には大分気になった細かい接ぎ目が、この段階で序所に気にならなくなっていきます。
白太部分の濃淡を見ながらステインの着色を調整して、全体的にウォールナット特有の揺らぎある
綺麗な木目に見える様に仕上げていきます。

元々のアンティークパーツと新しく組み込んだ木材の見た目が調和してきました。




ここから、ニス塗装。
古典的なタンポ塗装で薄く薄く手塗り塗装を重ねていきます。
琥珀色をしたセラックニスでテーブル全体の光沢感を揃えていくように、艶やかな塗装膜で被っていきます。



再びアンティーク塗装された脚部も、生気を取り戻した様な艶やかな表情になりました。

この段階までくると、塗装前の細かい接ぎ目は殆ど気になりません。
むしろ、白太の有機的なラインがアクセントになり非常に表情豊かです。

ぴかっと光ったニス塗膜表面を、スチールウールという細かい鉄繊維の綿で優しく
撫でて艶感を落ち着かせて、アンティーク塗装専用のワックスで磨き上げます。
この一手間で、塗装膜のギラつきを抑え、落ち着きのある半艶に調整してあげつつ、
同時に塗装の皮膜を保護してあげます。

そして青山のお店へ納品。
今回、スケジュールもかなりタイトだったのですがギリギリのタイミングで滑り込みセーフ。
お客様にもとても喜んで頂け、スタッフ皆でほっと胸をなでおろしました。。

DATE.

2014. 1. 9


CATEGORY.

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