カシュガイ族が良質なウール糸をハンドノットという古式技法で織り上げたギャッべ。
これはオールドギャッベと呼ばれる古典柄のスタイルですが、現代の工房で新たに織り上げた未使用品です。
ビンテージのオールドギャッベは、使用感もあり少しヨレていたり、毛質が固くなっているコンディションの物が殆どです。
その使い込まれたビンテージ感が好きな人も多いのですが、これは対照的に柔らかく艶のある高品質なもの。
自分自身で経年変化を楽しみながら、本物のオールドに仕上げてくことの出来る一枚なのです。
商品動画でもよくわかりますが、全体にウールの被毛が光を帯び、とても綺麗にしなやかに畳める様子が品質を物語っています。
無染色のナチュラルな羊毛と、クルミやオークの樹皮などを用いて染めた淡いグラデーションを基調に、黄金色に輝くメダリオン（メダリオンは富と繁栄の祈りが込められた模様）と、それを縁取ったエメラルドグリーン〜ターコイズブルー、長手のエッジをかがったオレンジの鮮やかな配色が綺麗で、部屋に敷いていると金運が上がりそうです。

春先の羊の体の内側からとった、水分や油分を豊富に含んだ高品質なウール糸を使い、高密度に織り上げられています。
通常のギャッベに比べると分厚くないので、オールシーズンさらりと使える質感です。
絨毯用に品種改良されたニュージーランドの「ロムニー」「クープウォーズ」などのウールの流通も増え、それらも素晴らしい品質なのですが、イランの厳しい気候・風土の環境から生まれた天然の遊牧羊毛特有のバネのある独特な質感が、このギャべ絨毯には丁度合うのでしょう。
ごつごつとした岩が転がる、砂漠とも言える乾燥地帯に暮らすカシュガイ族。
昼間の猛暑から一変して夜は非常に冷え込む過酷な生活環境の中で生み出されたこの絨毯は
ある時は地表の熱を遮る優れた断熱材として、ある時は冷たい大地から身を守る暖かなベッドとして、彼らの生活に欠かす事のできない生活必需品だったのです。

ダブルノットで仕立てられた厚みと腰のあるふんわりとした踏み心地は、冬は暖かく夏はひんやりと涼しく使えます。
これがウール絨毯の不思議な魅力です。